●筋トレは社会貢献?
医療費負担を巡る麻生首相の発言が失言として取り沙汰されました。「67歳、68歳になって同窓会に行くと、よぼよぼして医者にやたらにかかっている者がいる。学生時代はとっても元気だったが、今になるとこっちの方がはるかに医療費はかかっていない。それは毎朝歩いたりしているから」と発言。趣旨は健康管理する人、しない人で差がある。予防にもっと力を入れることによって医療費全体を抑制できるというものでした。
40歳以上の「メタボ健診」が義務付けられてから山形でもスポーツジムの進出が目立っています。私が通っているジムにはインストラクターとして同窓の荒井鏡子さん(109回・平成14年卒)がいます。彼女はシェイプアップに欠かせない格闘技系のプログラムやエアロビクス、プールで水中のエクササイズプログラムなどを担当しています。また、マシンの操作や正しいフォームについても教えています。私の日ごろのトレーニングを見て彼女が先日アドバイスしてくれました。
「有酸素運動のウォーキングはウォーミングアップとして15分位、その後に筋トレをやり、最後にやはり有酸素運動の水泳をやると体脂肪の燃焼に効果ありますよ」というのです。
10年前に糖尿病境界型といわれてから朝夕のウォーキング開始。しかし、春は花粉症、冬は滑って転倒、夜は交通事故被害の危険、不審者と間違われる恐れもあります。日中に犬と一緒なら散歩、一人なら徘徊者?結局プールに通い始めました。水泳は戦後間もない小学生の頃に青龍寺川や大山川で覚えた我流の泳法。
このジムでも最初は水泳だけでした。泳ぎがスマートでスケールの大きな泳法の人が目立ちます。高校女子の個人メドレーで東北大会2位の記録保持者だったインストラクターに個人指導を受けました。娘よりも若い女性に教えを受けてわかったこと。基本はしっかり水をキャッチ、効果的に水を押し出すこと。水面下の泳ぎがカギ。しかも無理せずに自然体でということでした。「あなたにもっと若いときに出会いたかった」というと彼女はきょとんとして困惑の表情になりました。「水面下で上手に泳ぐ術をもっと早く教えてもらったら、私の人生も変わっていたかもしれない」というと彼女はげらげら大笑い。「今からでも遅くないです」と励まされました。「二の腕(上腕部)の筋肉がたるんできた」というと「振袖はいけません。筋トレで留袖にしましょう」と誘われました。
筋力を鍛えるために一人黙々とバーベルを持ち上げ自分の体と向かい合い、腹筋運動を繰り返していると修行僧の苦行を思う時もありました。これは友達をつくり「今日もがんばっていますね」と声を掛け、「最近姿が見えなかったので心配していた」などリップサービスを交わすことで解消しました。6人の仲間がトレーニングの成果情報を交換しあっています。今年から月一回開かれている懇親会は、体を鍛えているメンバーだけに酒が強く私にとっては"酒力"トレーニングの場でもあります。
トレーニングで汗を流して風呂・サウナで顔をあわせた時、同世代とはいえ一国の首相から「たらたら飲んで、食べて、何もしない人の分の医療費を何で私が負担するんだ」などと言われたくないなぁ。安い自己負担で診察・治療を受けられる日本の医療制度は、世界トップクラスにあることを知ってはいるけれど‥など落語の風呂談義で精神の贅肉落とし。
「予防と健康管理が日本の医療費を抑制する」ならば、筋トレも社会貢献と表現したら論理の飛躍でしょうか。でも、お国の財政再建に少しでも役立つなら、健康を保つ自己投資として同窓のインストラクターの指導に従って来年から水泳で仕上げる筋トレを習慣化するとしますか。
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